生まれてから40年、大きな病気や入院も経験せず、健康には自信がありました。しかし数年前、予期せぬ体調不良で一週間の入院を余儀なくされました。退院後、かつてないほど体も心も不安定になり、何をするにも億劫な、どんよりとした霧の中にいるような毎日。
そんな私を救ってくれたのは、糸島で長年自然栽培を営む知人からの差し入れでした。差し出されたのは、玄米おにぎりとお味噌、そして「不思議なきな粉」。
「元気が出るから食べてみて」と言われ、半信半疑で口にしたその瞬間。言葉にするのは難しいのですが、スーッと霧が晴れるような、驚くほど晴れやかな心地よさを感じたのです。
そのきな粉の正体は、糸島で10年以上前から、知る人ぞ知る存在だった「ムクナ豆(八升豆)」でした。
調べれば調べるほど、その秘められた力に魅了されました。それと同時に、自然に寄り添い、植物の力を上手に取り入れて暮らす「糸島流の生き方」に、私の心は強く惹かれていきました。
「この健やかさを、毎日を忙しく過ごす方々にもおすそわけしたい」
その一心で、私は自らムクナ豆を育てる決意をしたのです。
栽培の舞台に選んだのは、かつては力強く、今は眠っていた糸島の耕作放棄地でした。糸島の豊かな自然をそのまま豆に込めるため、私たちは土づくりからこだわりました。
これら地域の資源を混ぜ込み、大地を再生させる「循環型栽培」を実践。慣れない農作業に明け暮れ、休みなく泥にまみれる日々は想像以上に過酷でしたが、土が生き返り、緑が力強く芽吹く姿に何度も励まされました。
そしてついに、糸島の大地の力をたっぷりと蓄えたムクナ豆を収穫することができました。私たちはこの豆を、敬意を込めて「大地のムクナ」と名付けました。
かつての私のように、心や体のバランスに戸惑いを感じている方へ。糸島の自然が育んだ、優しくも力強い「おすそわけ」が、あなたの毎日を晴れやかに照らすきっかけになれば幸いです。